"Stik" サーモメーター 1552A
主な機能
温度計プローブとデジタル式表示器が 1 台のユニットに
ステンレス・スチール製プローブとデジタル式表示器が一緒に固定されており、1 つのシステムとして校正されます確度の仕様には、ドリフトを含め、最大 1 年の不確かさの要素がすべて含まれているため、簡単に理解できます。ディスプレイは 90 ° 回転可能でどの角度からでも読み取りやすい、バックライト付き大型 LCD ディスプレイです。安定性/トレンド・インジケーターはユーザーが設定可能で、温度が十分に安定して正確な測定を記録できるようになった時点で通知されます。電源の自動オフ機能もユーザーが設定可能で、これによりバッテリー寿命が標準で 300 時間まで延長されます。電池残量インジケーターと測定停止機能が、電池不足が原因で起こる測定エラーを防ぎます。また、シンプルな三点校正機能で Stik Thermometer の校正を簡単かつ正確に行うことができます。最大 10,000 件のタイムスタンプ付き測定値データを内部メモリーにロギングできるオプション付きのモデルもご用意しています。
プロセス温度センサーを校正する理由
温度は、容積測定の確度に大きく影響するため、化学薬品、製薬、食品、石油といった製品のプロセス・メーカーには、正確な温度測定が求められます。品質や取引計量が政府機関によって規制されている場合には特に重要です。温度センサーはすべて時間の経過とともにドリフトの影響を受けやすいため、信頼できる基準温度計で定期的に校正や検証を行う必要があります。ただし、確度や再現性が高く、堅牢な基準温度計を見つけるのは簡単なことではありません
基準温度計の欠点
水銀温度計 ("ASTM 温度計") や携帯型の電子温度計など、現在市販されている産業用の基準温度計は実用的ではありますが、どちらも固有の問題があります。水銀温度計は、確度と再現性が高いものの、壊れやすいという欠点があります。また、水銀が漏れ出すと環境および健康に害を及ぼす恐れがあります。米国や多くの EU 諸国ではすでに産業用用途での水銀温度計の使用を禁止しています。水銀温度計をより耐久性のある携帯型の電子温度計と交換している企業もありますが、RTD のプローブは再現性と信頼性に欠けており、正規の基準温度計とすることができません。
水銀温度計の最適な代替品
Fluke の Stik Thermometer は確度、安定性、耐久性に優れ、水銀温度計や既存の電子温度計の代替品として最適です。センサー部分は薄膜タイプの RTD で、Hart Scientific が設計した他の高品質な基準温度計と同じ特性を持ちながら、より堅牢でドリフトしにくくなっています。耐久性に優れているものの、そのために確度や再現性が犠牲になることはありません。
ガラス製のステムに水銀やアルコールを充填した温度計を浸没深さや環境温度が校正時と大きく異なる場所で使用する場合、正確な測定のために応急的なステム補正を行わなければならないことがありますが、これは非常に面倒です。Stik Thermometer ではこのような作業を行う必要はありません。1551A Ex のセンサーで必要とされる最小浸没深さはわずか 7 cm で、ステムを伝導する熱損失による測定温度への影響はほとんどありません。デジタル式温度計の中には、狭い範囲の環境温度でしか正確な測定ができず、その範囲外で使用すると確度が悪くなるものがあります。Stik Thermometer では、環境温度 -10 °C ~ 50 °C で正確な測定が可能です。優れたプローブ設計と、正確な測定をアシストする電子機能が組み合わされた Stik Thermometer は、他のデジタル式温度計よりも機能的に優れており、水銀温度計の代替品として最適です。1 センサーのドリフトを最小限に抑えるために、プローブを機械的衝撃から保護する必要があります。
水銀温度計を交換する 5 つの理由
- Stik Thermometer は水銀を使用していないため、政府による禁止の対象とはなりません。世界各地の政府機関が産業用水銀温度計の使用および輸送をすでに禁止しているか、これから禁止しようとしています。この傾向は今後も高まっていくと思われます。
- Stik Thermometer のプローブ・シースはステンレス・スチール製であり、水銀温度計のガラス・ステムよりもはるかに堅牢で、産業用の環境により適しています。また、Stik Thermometer は水銀を含んでいないため、誤って水銀が漏れ出す恐れもありません。
- 所有コストの面でも、デジタル式温度計は水銀温度計よりも安価です。水銀温度計の場合、温度計本体の購入費用だけでなく、水銀が漏れてしまった場合のクリーニング費用も必要になります。
- 水銀温度計は校正後、調整を行うことができません。このため、測定温度に補正を加えて実際の温度を計算しなければなりません。この作業には時間がかかるうえに、計算間違いの恐れもあります。デジタル式温度計であれば自動で計算を行ってくれるため、表示された温度が実際の測定温度となります。
- 水銀温度計を校正時とは異なる環境で使用する場合、応急的なステム補正が必要になることがあります。デジタル式温度計の場合、正確な測定値を得るために校正環境を一致させる必要はありません。要件は最小浸没深さだけで、1551A Ex の場合はわずか 7 cm です。
製品概要: "Stik" サーモメーター 1552A
ついに、水銀温度計の代替となるデジタル式温度計が登場しました。1551A/1552A Stik Thermometer は、フル・レンジにわたって ± 0.05 °C の確度と再現性を備えており、産業用温度校正における新たなスタンダードとなる温度計です。Stik Thermometer は本質的に安全で電池駆動式の携帯型基準温度計で、爆発性気体が存在する可能性がある屋外での作業でも、室内の加工工場でも、場所を選ばすにご使用いただけます。
機能の概要- フル・レンジで ± 0.05 °C の確度
- 本質的に安全 (ATEX および IECEx 準拠)
- 2 モデル (-50 °C ~ 160 °C または -80 °C ~ 300 °C) から選択可能
- ユーザー設定可能な温度トレンド/安定性インジケーター
- 温度単位は °C または °F で表示可能
- 内部メモリーへのデータ・ロギング機能 (オプション)
- 300 時間の電池寿命
- 電池寿命のパーセント表示、バッテリー残量インジケーター
- NVLAP 認定書と NIST トレーサブル校正証明書が付属
仕様: "Stik" サーモメーター 1552A
仕様 | 1551A Ex | 1552A Ex |
温度範囲 | -50 °C ~ 160 °C | -80 °C ~ 300 °C |
確度 (1 年) | ± 0.05 °C | |
表示単位 | °C、°F | |
センサーのタイプ | 100 Ω 薄膜 RTD | 100 Ω 巻き線型 PRT |
プローブ温度係数 | 公称 0.00385 Ω/Ω/°C | |
センサー長 | ≦ 10 mm | ≦ 30 mm |
センサー位置 | 3 mm | |
最小浸没深さ | 7 cm | 12 cm |
プローブ・シース材質 | ステンレス・スチール | |
応答時間 | 直径 4.8 mm のプローブ: 14 秒 直径 6.35 mm のプローブ: 21 秒 | |
プローブ・ヒステリシス | ±0.01 °C | |
温度分解能 | 選択可能: 0.1、0.01、0.001 (デフォルト 0.01) | |
サンプル・レート | 選択可能: 0.5 秒、1 秒、2 秒 (デフォルト 1 秒) | |
動作温度範囲の読み取り値 | -10 °C ~ 50 °C | |
温度分解能 | 選択可能: 0.1、0.01、0.001 (デフォルト 0.01) | |
サンプル・レート | 選択可能: 0.5 秒、1 秒、2 秒 (デフォルト 1 秒) | |
動作温度範囲の読み取り値 | -10 °C ~ 50 °C | |
保管温度 | -20 °C ~ 60 °C、0 % ~ 95 % RH、結露なし | |
データ・ロギング (オプション)1 | 最大 10,000 件のタイムスタンプ付き読み取り値を内部メモリーに保存 | |
ロギング間隔1 | 2 秒、5 秒、10 秒、30 秒、または 60 秒 2 分、5 分、10 分、30 分、または 60 分 | |
ダンピング | 直近の 2 ~ 10 件の読み取り値の変動平均 (オン/オフ、2、5、10) | |
通信 | RS-232 ステレオ・ジャック (校正パラメーターへのアクセスのみ) | |
AC電力 | なし | |
DC電力 | 単 4 電池 3 本、電池寿命は LCD のバックライトなしで通常 300 時間 | |
EMC 準拠 | EN61326:2006 付録 C、CISPR II Edition 5.0-2009、クラス B | |
保護等級 | IP50 | |
電子機器の寸法 (高さ x 幅 x 深さ) | 114 mm x 57 mm x 25 mm | |
重量 | 196 g | |
校正証明書 (付属) | NVLAP 認定書、NIST トレーサブル証明書 | |
値付け | CVD | ITS-90 |